AFTER|観終わってから読んでください

配役

製作総指揮 加藤昌史 より

観終わってから読んでください。
演劇集団キャラメルボックス 製作総指揮 加藤昌史

2017年最後の公演、ゲスト無しのオール劇団員キャスト、そして久し振りの成井豊書き下ろしオリジナル新作『ティアーズライン』、いかがでしたでしょうか。「ザッツ・キャラメルボックス」と言える作品になっているのではないかと、これを書いている時点では思っているのですが。ご覧くださったみなさんのご感想を、ぜひおうかがいしたく思っています。

あなたのご感想は、公演アンケートに書いていただけるのももちろん嬉しいのですが、是非Twitter、Instagramなどでお聞かせください。すると、それを検索して見つけて読むのが楽しみな私たちも嬉しいですが、まだ観るか観ないか迷っている方々や、キャラメルボックスに興味はあっても「劇場に行く」というハードルを越えられずに迷っている方たちの背中を押すことができるかもしれないのです。

演劇、特に私たちのような「小劇場演劇」に分類されるジャンルの舞台は、公演期間が長くなく、テレビのワイドショーや一般週刊誌に採り上げられることも滅多にありません。インターネットができる前は、ただひたすらチラシやポスターと情報誌に頼るのみ。そんななか、キャラメルボックスは「一度観に来てくださった方に、次はお友達を連れて観に来ていただく」ための様々な方策を考えることで32年間もの間、劇団として続けてくることができています。

様々なSNSができてきた今でも、やはり舞台の「宣伝」は「人伝え」が全て。どこかに専門家のどんな良い評価が載っていたとしても、それ以上に自分と感性が近い身近な人の熱いメッセージを信じる、というのが「今」の人たちの行動基準なのではないかと思います。
僕自身、ラーメンが大好きでいろんなところに食べに行くのですが、雑誌の特集のトップに載っているお店よりも、信用している「ラヲタ(ラーメンオタクの略)」の人のオススメのお店の方を優先してしまいますし。
あなたの熱い『ティアーズライン』オススメ文を楽しみに、検索をかける日々を送りたいと思っています。よろしくお願いいたします。

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今夏の公演『スロウハイツの神様』を東京でしか上演しなかったことから、関西のみなさまから「今年は大阪の公演が少ないのではないか」というご質問を何度もいただきましたので、ここで事情を説明させていただきます。

2011年以降、劇場に足を運んでくださるお客さまの数が激減したため、結成30周年であった2015年春頃、2年後の劇場予約をしなければならない段階で「公演規模縮小策」を実行することにしたのです。
お客さんが少なくなっても劇団の公演活動を存続させるためには、しばらく東京以外での公演を最小限にして力を蓄えていくしかないだろう、という判断でした。
ところがその対策を決めた2015年の後半から徐々に状況は好転し始め、2016年の夏に「やはり2017年は関西公演をやろう」と考え直しました。しかしこれまで私たちが上演してきた商業的な劇場の予約というものはほぼ2年前に埋まってしまうので、公共ホールも含めて空きを探し続けました。しかし大阪周辺の劇場不足は深刻で、秋の『光の帝国』以外は関西公演は行えない、という状況のまま今年を迎えました。
しかし、秋の公演の準備をしていく過程で「明石で、しかもクリスマス後の年末で、さらに平日なら」というご提案をいただくことができ、今回のアワーズホール・明石市立市民会館公演が実現いたしました。
結果として今年1年で関西で上演できなかったのは、7月の『スロウハイツの神様』のみ。東京公演が大好評だっただけに悔やまれますが、DVDの発売を急ぐとともに諸条件が整えば再演を用意して、必ず関西での公演を実現させたいと考えています。
来年2018年は、年間5公演の全てを関西で行います。期間は短いと思いますが、ぜひお時間の都合を付けてご来場いただけますよう、お願いいたします。

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劇団員退団のお知らせです。2012年に入団した毛塚陽介が、前回公演『光の帝国』をもって退団、引退し、今後は、実家の町工場を継ぐことになりました。毛塚の実家はお父さんが一代で築いたとても専門性の高い技術を要する部品を作っていて、彼のお父さんの仕事の中には大企業と関わるものもあるようです。俳優としてキャラメルボックスに在籍し、舞台に立ってお客さまの応援をいただいてきたその経験は、きっとこれからの人生にも大きく役立っていくと思います。今後の異業種での活躍に、ご期待ください。

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キャラメルボックスの次回公演は、3月に東京と明石、つまり今公演と全く同じ会場で、アメリカのSF作家ロバート・A・ハインラインが1956年に発表したタイムトラベル小説『夏への扉』の再演を行います。
私たちが生まれるよりも前に書かれたこの作品は、「演劇集団キャラメルボックス」を結成した1985年当時から劇団員の「必読図書」であり、猫のピートとともに時を飛ぶ主人公とヒロインのタイムトラベル・ラブストーリーは、様々なエンターテインメント・ファンタジー作品を上演してきたこの劇団の原点でもあります。
「こんな世界をやりたくてこの劇団を作った」と言っても過言ではない作品。
是非、体験しにいらしてください。

[2017.12.2. Katoh Masafumi]

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