サマープレミア「スロウハイツの神様」

2017年7月5日(水)~7月16日(日) サンシャイン劇場

一般前売り開始 4月29日(土)

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INTRODUCTION|イントロダクション

原作者コメント

「口に出せないほどどうしようもなく好きなものが、私にはある。」
この言葉は、主人公・環が自分が大好きな小説と、その作者に対して思ったことです。自分が好きなもののことが誇らしくて、それを好きでいられる自分のことが嬉しくって嬉しくって──というこの気持ちは『スロウハイツの神様』という作品を支える一番の核であると同時に、私自身が多くの作品に対して思い続けてきたことです。
キャラメルボックスの舞台は、私にとって、ずっと、そんな大事なもののひとつでした。
作中のあの子たちに教えてあげたい。
「環! コウちゃん! キャラメルで舞台になるって! 嬉しいよぉぉ」

辻村深月

原作小説がコミックにもなりました。桂明日香氏が講談社「ハツキス」にて好評連載中!

脚本・演出コメント

『スロウハイツの神様』を読み終わった瞬間、「これを自分の手で芝居にしたい!」と思いました。
「泣ける」ことを売り文句にした小説や映画が溢れる今、私まで同じことをしたくないのですが、私がここ十年で最も泣いた小説は間違いなく、これ。『スロウハイツの神様』には、人が人を幸せするために懸命に戦う姿が、劇的に詩的にユーモラスに描かれていて、胸打たれずにはいられない。この感動を一人でも多くの人は分かち合いたい。そのために、ぜひともキャラメルボックスで上演したいと思いました。
が、問題は長さ。文庫本で上下二巻。総ページ数845ページ。これが2時間の芝居になるわけない。何日も何日も考えて、物語を「赤羽環」と「チヨダ・コーキ」の二人に絞れば、何とかなるかもしれないと思いつきました。幸い、原作者の辻村深月さんは快く了承してくださいました。
配役は少しでも原作のイメージに近い人をと考え、3人の方をゲストにお招きしました。玉置玲央さん、松村泰一郎さん、森山栄治さんの3人です。実際に芝居を見ていただけば、なぜこの人たちだったか、ご理解いただけると思います。
「泣ける」「泣ける」と書きましたが、けっして暗い話ではありません。「スロウハイツ」で暮らす若きクリエイターたちは、恋をしたり、ケンカしたり、流しソーメンをしたりして、集団生活を楽しんでいます。もちろん、自分の作品に向き合う時は真剣ですか。
2017年の夏は、私たちキャラメルボックスと一緒に「スロウハイツ」で過ごしませんか? ご来場を心よりお待ちしています。

成井豊

STORY|ストーリー

10年前、福島県で集団自殺事件が発生し、15人が死亡。首謀者の部屋には、チヨダ・コーキの書籍と関連グッズが溢れていた。マスコミは「チヨダ・コーキの小説のせいで起こった悲劇」と騒ぐ。コーキはインタビューで「責任を感じますか?」と聞かれ、「僕が書いたものが、そこまでその人に影響を与えたことを、ある意味では光栄に思います」と答えてしまう。日本中に、コーキに対するバッシングの嵐が吹き荒れる……。

10年後、脚本家の赤羽環は、知り合いの老人から旅館だった建物を譲り受け、アパートに改造。「スロウハイツ」と名付けて、友人たち5人と暮らし始める。その中には、あのチヨダ・コーキの姿もあった。そこへ新たな住人として、小説家志望の加々美莉々亜がやってくる。莉々亜はコーキの大ファンで、彼の部屋に入り浸り始める……。

CAST|キャスト

STAGE STAFF

  • 美術:伊藤 保恵
  • 照明:黒尾 芳昭
  • 音響:早川 毅
  • 振付:川崎 悦子〈BEATNIK STUDIO〉
  • スタイリスト:花谷 律子
  • ヘアメイク:山本 成栄
  • 小道具:和合 美幸
  • 演出補:白坂 恵都子
  • 舞台監督:村岡 晋

PLANNING

  • 製作総指揮:加藤 昌史
  • プロデューサー:仲村 和生
  • 宣伝美術:徳永 健〈クラウドボックス〉
  • 宣伝写真:原 哲也〈Tokyo Otaku Mode〉
  • 宣伝ヘアメイク:黒田 はるな
  • 舞台写真:伊東 和則
  • サポーターズ・クラブ運営:ロム・シェアリング
  • 企画・製作:ネビュラプロジェクト

「演劇集団キャラメルボックス」とは

1985年、早稲田大学の演劇サークル出身で脚本・演出家の成井豊を中心に結成。「エンターテイメント・ファンタジー」「人が人を思う気持ち」を基調に、「家族でも観られるエンターテインメント演劇」を上演し続けている。中でも、SF作品の評価は高く、2011年には海外SFの名作である、ロバート・A・ハインライン『夏への扉』を世界初舞台化するに至る。

結成から3年後、観客動員の急増に伴い社会人サークルからプロ化を決意、1990年には1公演の観客動員数が1万人、1993年には2万人を突破。1989年のオーディションで入団した上川隆也が1995年にNHKドラマ「大地の子」で主役に抜擢され劇場もヒートアップし、1997年には3万人を突破。

2004年、北村薫さんの名作「スキップ」を初舞台化。以後、原作を徹底的に研究し尽くし愛し抜いた舞台化の路線へ。2015年の結成30周年ではついに筒井康隆さんの『時をかける少女』を世界初舞台化し、原作者の絶賛を浴びる。

2011年の震災をきっかけに、2014年から全国に出かけていく「グリーティングシアター」というツアーを開始。小都市や学校からでも、お声がかかれば東京公演と同じ規模での公演をしにいく、という、フットワークの軽い企画として好評を博している。

劇団員は、42名(2017年3月末現在)。劇団は法人化しておらず、あくまでも「有志の集まり」として存在し、構成員は芸能プロダクションなどに所属している者もいる。

劇団公演の企画制作は、旗揚げメンバーで劇団製作総指揮の加藤昌史が社長を務める「株式会社ネビュラプロジェクト」が行なっている。

「サマープレミア」とは

「premium」ではなく、「Premiere」。映画における「ワールドプレミア」、テレビ番組の初回放送の「シリーズプレミア」、のように、「初舞台化の初演」の意味。