原作:内田けんじ『鍵泥棒のメソッド』 脚本・演出:成井 豊
桜井武史は35歳の舞台俳優。別れた恋人が結婚することを知り、生きる気力をなくしてしまう。そんなある日、銭湯へ行くと、目の前で男が転倒し、彼が持っていたロッカーの鍵が目の前に転がってきた。武史は自分の鍵とすり替え、男のロッカーへ向かう。それはちょっとした出来心だった。
一方、転倒した男は頭を強く打って、記憶喪失になった。所持品から、自分の名前は桜井武史だと知る。退院の日、男は病院の前で雑誌編集長の水嶋香苗と出会う。香苗の車でアパートへ向かうと、そこは汚いアパート。どうやら自分は売れない役者らしい。男は香苗に助けられ、桜井武史として生きる決意をするが……。